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転職理由はどうやって伝える?
介護業界では業界内の転職は当たり前のことなので、転職したからといって悪い印象を与えることはありません、しかし、転職の際には必ず辞めた理由が聞かれるためネガティブな理由を話してしまうとかえって悪い印象を与えてしまいます。
平成26年に行われた意識調査によると介護職員として働く人のうち転職して介護職員になった人は全体の約8割で、そのうち同じ介護職の仕事をしていたのは約4割だと答えています。介護職の資格やスキルは違う施設に転職しても十分に通じますし、やりたい仕事や条件のよい職場を求めて転職するのは介護業界では当たり前のことだからです。
意識調査によると、職場を辞めた理由として一番多いのが職場の人間関係、次いで施設や事業所のやり方に不満があったため、とありました。しかしこれらの理由を転職の際に伝えてしまうとよい印象を与えることは難しくなってしまいます。なぜなら、「人間関係で辞めたなら今働いているスタッフと上手くやっていけるのだろうか」と採用担当者が不安に思ってしまうからです。
まずはなぜ人間関係が上手くいかなかったのか、その経験から何を学んだのかを考えてみましょう。あまりよい印象を与えないからといって大変な思いをしたことは隠さず、そこから学んだことを交えながら伝えれば悪印象を好印象に変えることができます。たとえば、「性格が合わない人がいて一緒に働くのが難しかったからです」ではなく、「前の職場ではスタッフ同士が協力し合うことが大切だと教わりました。スタッフ同士が綿密にコミュニケーションを取っているこちらの施設で、信頼できる仲間とより質の高い介護を提供していきたいからです」と伝えた方が好印象を与えます。
また、給料の低さや残業の多さなどのネガティブな理由はそのまま伝えてしまうと自分の利益を優先する自分本位の人だと思われてしまいます。この場合、給料や待遇に魅かれて施設を選んだとしても待遇のよさを伝えるのではなく、「利用者を大切にするためにもスタッフを大切にしなければならないという理念に共感しました」や「スキルを磨きながら次のステージに進もうと考えているため無理なく働けるこちらの施設に応募しました」など、前向きな姿勢を伝えるといいでしょう。
転職する理由は採用担当者が不安に思うことがないように話すことが大切です。辞めた理由を正直に話しながらも、自分の長所や熱意をアピールしたり意欲を前向きに伝えたりすることで採用担当者の不安を払拭することができます。しかしながら、いくら転職理由が前向きで好印象なものであっても、短期間の転職を繰り返している人には「うちの施設もすぐの辞めてしまうのではないか」という不安は拭い去れないでしょう。採用担当者に不安を抱かせないためにも、辞めたいと思ったからすぐに辞めてしまうのではなく、この逆境で学べることもあるはず、ともう少し働いてみましょう。何も得られないままだとステップアップすることも難しくなってしまいます。
待遇や労働環境が悪いブラック施設かどうかは実際働き始めるまで分かりません。しかし、絶えず求人が出されている施設や態度が悪い面接官のいる施設、当日欠勤が難しい施設はブラック施設である可能性が高いため、求人を探す段階から細かくチェックすることをおすすめします。
介護職の給料は介護報酬によって賄われていますが介護報酬自体が安く設定されているため介護報酬自体が上がらない限り、給料も上がりません。また、低い給料のまま働き続けている人も多いため、なんとかなっていると判断されてしまい給料アップにつながらない、ということもあります。